スロバキアのイゴル・マトヴィッチ首相は1日、ロシアから新型コロナワクチン「スプートニクV」を200万回分調達することを明らかにした。連立パートナーの反対を受けて秘密裏に準備を進めていたもので、初回調達分の到着を待って発表した。欧州未承認ワクチンの購入の背景には、新型コロナが国内で猛威を振るう中、欧州連合(EU)を通じたワクチン調達が遅れていることがある。
発注した200万回分のうち、1日の初回供給は20万回分で、さらに40万回分が近日中に到着する見通しだ。4月末までに全体の半分の100万回分が、6月末までに残りの100万回分が納入される。マトヴィッチ首相によると価格は2回分(1人分)19.95米ドル(約17ユーロ)で、他の調達国が支払うのと同じ水準という。
首相はロシアからのワクチン調達を先週の閣議に諮ったが、連立与党「人々のために」の反対で否決された。このため、通常の外交ルートを通さず、秘密裏にスプートニクVの調達を進めていた。スロバキア法によると、スプートニクVの接種実施に政府の同意は不要で、保健大臣の権限で進めることができるという。
スロバキアでは年初以来の部分的ロックダウン(都市封鎖)にも関わらず感染者数が高止まり。人口比のコロナ死亡者数は欧州1位で、患者に適切な治療を施せない「医療崩壊」に直面している。