ハンガリー石油最大手MOL、長期戦略を最新化-2050年排出ゼロ目指す

ハンガリー石油最大手MOLは2月末、2030年に向けた長期事業戦略の最新版『シェイプ・トゥモローMOLグループ2030+』を発表した。2050年までに排出ゼロを達成する目標に向け、これまでの持続可能性戦略を統合し、排出削減、効率化、循環型経済に注力する。ダウンストリーム事業(精製~販売)では低炭素未来社会を視野に入れ、効率化、持続可能性、化学品強化を重点課題とする。

MOLは2016年、化石燃料事業から低排出で持続可能な事業モデルへの転換に向けた長期事業戦略を打ち出した。近年、再生可能エネルギーの拡大など事業環境の変化が速まってきたことから、この転換プロセスを加速させるため戦略を最新化した。

ダウンストリーム事業では製品の軸足を自動車燃料から化学品に移す。2030年までに自動車燃料精製量180万トン分を化学品に切り替えるため、27年と30年の2回に分けて最新技術導入などに投資する計画だ。また、主力事業では、生物資源の原料化、リサイクル材料を使った製品やリサイクリングの規模拡大、炭素隔離貯留技術(CCS)の利用など循環型テクノロジーを積極的に取り込む。

同社は廃棄物の統合・利用、リサイクリング、二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)、先進バイオ燃料、水素関連事業など、新たな低炭素・持続可能プロジェクトに向こう5年間で10億ドルを投資する考えだ。

上部へスクロール