ロスネフチが環境活動の指針公表、温室効果ガス2,000万トン削減などの目標定める

ロシア石油最大手の国営ロスネフチはこのほど発表した環境活動に関する指針で、温室効果ガスを二酸化炭素(CO2)相当量で2,000万トン削減するという目標を掲げた。同指針は同社の炭素ガス排出量削減に関する計画などに基づくもので、持続可能性やCO2などの温室効果ガス削減に関連する目標を定義するとともに、水質管理分野での活動も規制するものとなっている。新しいところでは温室効果ガスの排出を相殺するため森林の活用にも言及している。

ロスネフチの2035年に向けた排出ガス管理計画は同社の環境改善に関する長期目標を定めたもので、温室効果ガスの2,000万トン削減や上流における排出量の30%削減という数値目標を掲げている。またエネルギー使用量の低減や付随ガスの利用計画も継続する意向だ。同社は付随ガスの占める割合を事業全体の25%以上まで引き上げることも計画している。

同社の使用エネルギーの低減プログラムはカーボンフットプリントの大幅な削減に向けたもので、2014年以来640万トンの使用燃料の削減、金額にして390億ルーブル(4億3,720万ユーロ)の節約に成功してきた。今年から2025年にかけては260万トンをさらに削減する予定だ。

ロスネフチは温暖化ガス削減に向けて他社との連携も進める。英BPとの間では再生可能エネルギーやCO2の捕捉・利用・保存(CCUS)に関する技術分野での協力を行う他、メタン排出量削減やエネルギー効率に関する手法や基準の策定を共同で実施している。

同社はこれまでにも欧州連合(EU)の排ガス規制「Euro 6」に準拠した燃料の生産を拡大してきており、昨年の生産量は前年の2倍の130万トンまで増加した。硫黄などの含有量を規制する「Euro 6」基準を満たしたガソリン製品はロシア国内の750のスタンドで販売されている。

英指数サービス会社FTSEラッセルが提供する環境レーティングでは同社のこうした取り組みが評価され、昨年までに5点満点中3.9まで向上している。(1RUB=1.45JPY)

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