カザフスタン政府は農業の強化に向けて4兆テンゲ(79億ユーロ)の投資を呼び込みたい意向だ。経済の資源依存を改善し、産業多様化を図る政策の一環となる。年間最大80件、合計で380件のプロジェクト実現を目指す。
具体的な目標としては、◇食料自給率を80%前後に引き上げる◇地方居住者100万人の所得増加◇労働生産性の向上◇加工食品輸出の倍増――が挙げられる。計画される投資プロジェクト380件のうち、250件が増産により食品輸入を減らすことを目的としている。政府は輸入への依存が大きい乳製品のほか、鳥肉、ソーセージ、リンゴ、砂糖、魚介類の輸入を減らすことを決定し、国内生産の拡大でこれを補う予定だ。
乳製品では、国産化の推進で最大50万人の雇用創出効果を見込む。酪農家の数を増やすとともに、既存農家の生産能力を引き上げる方針だ。カザフスタンの乳製品輸入は年間50万トンに上る。
カザフスタン政府は原油価格の低下を受けて2016年、農業を柱とする経済多角化策を開始した。経済協力開発機関(OECD)によると、2019年の同国国内総生産(GDP)に占める農業の割合は4.5%で、18年、17年の4.4%とほぼ同じだった。サパルハン・オマロフ農業相によると、昨年は農産物生産高が5.6%増の6兆3,000万テンゲ(150億米ドル)に拡大した。(1KZT=0.26JPY)