電動スクーター(eスクーター)のレンタル事業を手がけるロシア新興企業ユーレント(Urent)が、投資受け入れおよび借入れの形で12億ルーブル(1,600万米ドル弱)を調達した。この資金を活用してスクーター数を倍増させるとともに、国内事業の拡大、東欧市場の進出を図る。現地ベンチャーキャピタル(VC)情報サイトVC.ruによると、同社は近く7億ルーブルを追加で調達する計画という。
今回、資金を供給したのは、システマ・グループのベンチャー基金システマ・スマートテック(2億ルーブル=約265万ドル)のほか、ライドシェアのシティモビール、金融・テクノロジー大手ズベル、ユーレントの創業者らだ。昨年設置されたシステマ・スマートテックにとってはこれが初の投資案件となった。
ユーレントは2018年、南部クラスノダルで創業。これまでに国内20都市で合わせてeスクーター3万台が稼働している。昨年の売上高は8億ルーブル(年間平均為替相場換算で1,100万ドル)だった。
システマ・スマートテックは、総額50億ルーブル(約6,600万ドル)を調達し、シード期・アーリー期にある国内外のハイテク企業へ投資する方針だ。重点としては、「デジタル製品・サービス、バイオテクノロジー、人工知能(AI)、医療・教育・物流・運輸分野におけるIT、産業向けデジタル・ソリューション、新型コロナ流行で生まれたトレンドやニッチ分野」を挙げている。セルゲイ・ショイグ防衛相の娘であるクセニア・ショイグ氏がチーフ・ファンドマネージャーを務める。(1RUB=1.44JPY)