香港と米国に拠点を置く国際フードテック・ファンド、レヴァーVCが、ロシア農業大手グレイン・ルス(GrainRus)をリミテッド・パートナー(LP)として迎えた。具体的な投資額は明らかになっていないが、先月中旬の第4回クローズで同社の参加が明らかになった。レヴァーでは、グレイン・ルスを通じてロシアのスタートアップに投資する機会が増えると見込む。
レヴァーの投資チームには、ビヨンドミート、インポッシブルフーズ、メンフィスミーツ(培養肉)など代替タンパク質(植物由来の代替肉や培養肉)分野を代表する企業を早い段階で見出した投資家が名を連ねる。来月のファイナルクローズで6,500万~7,000万ドルを調達する計画だ。
レヴァーの創業者ニック・クーニー氏は、「ロシアは研究者のレベルが高く、コストを抑えた培養肉技術といった新しいソリューションを生み出す力がある」とし、その例として、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)・ロシアが昨年、スコルコボに拠点を置く3Dバイオプリンティング・ソリューションズと、培養肉ナゲットの3Dプリンター造形で提携した事実を挙げた。
また、「健康や持続可能性に対する消費者の関心が高まっているのはロシアも同じで、植物由来の代替乳も人気が出てきている。代替肉や培養肉も市場に受け入れられると考えて良い。美味しい商品が市場に出回れば消費者の注目も高まって、何年も力強い成長が続くだろう」と市場としての大きな可能性にも触れた。
なお、ロシア企業では、グレイン・ルスと競合する食品大手エフコが19年にアーリー期のフードテック・スタートアップに投資するベンチャーファンドを設置した例がある。