韓国のサムスン電子は5日、ポーランドの首都ワルシャワで第5世代移動通信システム(5G)の実証試験を実施すると発表した。提携する同国の携帯電話サービス大手プレイの商用ネットワークを利用し、4~6月期中に試験を開始する。このほか第4世代(4G)通信の試験や、プレイの第2、第3世代(2Gおよび3G)の通信網とサムソンの5G技術の相互運用性もテストする予定だ。
サムスンは低周波数帯と中周波数帯用に、マッシブ・マイモ(MassiveMIMO)やベースバンドなどの通信技術を提供する。マッシブ・マイモは複数のアンテナを使ってデータの送受信を行う「マイモ(MIMO)」をより強力にした技術で、サムスンによると5G対応の同技術については2019年から既に世界各国で商用ベースの提供を開始している。同社のマッシブ・マイモの通信機器は小型・軽量で設置が容易な上、受信範囲が広く送信速度にも優れている。またベースバンド機器は4Gと5Gの周波数帯に1台で対応できる。
プレイは同国で企業や消費者向けにモバイル通話やデータ通信サービスを提供している。契約者数は1,500万人。
サムスンは同国でワルシャワと南部のクラクフに研究開発拠点を持ち、4Gと5Gシステムに関連して無線アクセスネットワーク(RAN)、コア、SON(Self Organizing Network)の分析技術、NFV(Network Function Visualization)によるクラウド技術開発などを行っている。