電動車(EV)向けバッテリーの開発・製造を手がけるスロバキアのイノバット・オートが4月27日、チェコのバスメーカーSORからバッテリーを受注したと発表した。イノバットが商用車メーカーと提携するのはこれが初めて。
SORは市場の流れを受けて、製品の電動化を本格的に推進することを決定。市内・都市間・長距離バスの電動モデルを新たに開発するに当たり、イノバットを提携先に選んだ。ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)ベースのバッテリーモジュール、バッテリーパック、バッテリー管理システムの調査・開発・製造業務を委託する。
イノバットは米ワイルドキャットとの提携を通じて獲得したハイスループット・プロセス(HTP:多数の合成反応を比較的少ない労力で行う技術)と人工知能(AI)を組み合わせ、各顧客の要求する性能を満たす「特注」電池を開発する。そのスピードは最高で従来の方法の10倍に達するという。また、年内にスロバキアで整備中のバッテリー工場が稼働する予定だ。
SORは1991年の創業。本拠をリプハヴィーに置く。中欧有数のバスメーカーで、国内のほか欧州12カ国に製品を供給する。