ロシアの民間ガス最大手ノバテクは17日、液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティックLNG2」の第3液化トレインが従来予定より1年早い2025年に稼働する見通しを明らかにした。第1・第2トレインは23年、24年にそれぞれ始動する。
アークティックLNG2は、ノバテクが北極圏ギダン半島で進めている。仏トタル、中国石油天然気集団(CNPC)子会社の中国石油天然ガス勘探開発(CNODC)、中国海洋石油(CNOOC)、ジャパン・アークティックLNG(三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構の合弁会社)と共同で運営している。生産規模は日量53万5,000石油換算バレルと見込まれ、設置する3つの液化トレインの年産能力は各660万トンだ。
なお、ノバテクは北極海航路の通年航行を23~24年の冬から開始する方向で、現在、ロスアトムおよびアトムフロート(ロスアトムの原子力砕氷船運行会社)と交渉している。やはりノバテクが北極圏ヤマル半島で運営する「ヤマルLNG」から、原子力砕氷船で液化天然ガスを輸送する試験が今年1月に成功したのを受けたものだ。定期運行が始まれば、アジアへの輸出に弾みがつくと予想される。