スロバキア政府は5月26日、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の使用を承認したと発表した。欧州連合(EU)加盟国による同ワクチンの承認は、ハンガリーに次ぐ2カ国目となる。
ロシアの国立ガマレヤ研究所が開発し、2020年8月にロシア政府に承認されたスプートニクVをめぐっては、最終治験の終了を待たずに承認されたため効果と安全性に疑問があるとして、EUの調達計画の対象外となっている。加盟国ではハンガリーが1月、独自に承認し、接種を進めている。
スロバキアは同ワクチンを承認したものの、すでに輸入した20万回分に限って国民に接種する。同ワクチンを拒否する人は、EUが承認した4種のワクチンを選ぶことができる。
EUの欧州医薬品庁(EMA)は3月、スプートニクVの審査を開始した。スロバキア政府はEMAが承認すれば輸入を増やし、本格的に使用する方針だ。
スロバキアではマトビチ首相が独断で、スプートニクV調達を水面下で決めたことが連立政権を組む他の与党の反発を招き、3月に辞任に追い込まれた経緯がある。