ロシアIT大手メール・ル、ゲーム配信のスタートアップを買収

●株式80%を取得し、クラウドゲーム事業を強化

●買収対象のプレイキーは新型コロナ下で売上3倍増

ロシアIT大手のメール・ルがゲームストリーム配信会社プレイキー(Playkey)の株式80.05%を買収する。クラウドゲーム事業を強化する狙い。残る19.95%は、年末までにプレイキー創業者のエゴル・グリエフ最高経営責任者(CEO)が取得する意向という。

メール・ルによると、プレイキーのソリューションでは、端末をほぼ選ばずに同じゲームを配信できる。独自技術により高解像度画像の高速配信が可能になったという。

メール・ルは昨年11月、独自のゲームストリーム・プラットホーム「マイゲームズ」のベータ版を公開した。これまでにオリジナル製品のほか、CCPゲームズ、ガイジン、ファンコム、ナコン、パラドックス・インタラクティブ、テックランドなどの約250種のゲームを提供している。メール・ルのボリス・ドブロデイェフCEOによると、「視聴者数が予想の10倍に上る好評ぶり」という。

プレイキーは2013年にウラル山脈の西に位置するペルミで創業した。17年に、独データセンター大手のダルツ(Darz)から150万米ドル、政府系スタートアップ支援ファンドのインターネットイニシアチブ開発基金(FRII)から270万ドルを調達した。

採算を確保するのに苦労したが、新型コロナのパンデミックによる需要拡大で昨年3月の売上高が3倍に急増し、一気に黒字化を果たした。急激な利用増に対応できるよう、分散型のサーバーネットワークを構築していたことも奏功した。

なお、2017年に仮想通貨を利用した資金調達「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」で1,050万ドルを調達したことについてグリエフCEOは、「別の事業に関するものだった」としてコメントを避けている。

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