●翼に国産の炭素繊維を初めて使用
●エンジンは米P&W社製を搭載
国営ユナイテッド・エアクラフト(UAC)の子会社イルクート(Irkut)が、新型双発ジェット旅客機「MS-21-300」の量産を開始した。部品国産比率を高める努力が実り、翼の原材料に国産炭素繊維を初めて使用している。一方、国産エンジンは開発が終わらず、米国プラット&ホイットニー(P&W)製エンジンを搭載することになった。
ロシアでは欧米の制裁で炭素繊維の輸入が難しくなっている。量産に必要な量を確保するため、主翼メーカーのアエロコンポジットを中心に開発に取り組んだ。
国産エンジン「PD-14」は、エンジンメーカー、アヴィアドヴィガテリ(Awiadwigatel)の開発が遅れ、試作機5機のうち1機に使用されただけだ。量産1号機への搭載は見送られ、代わりにP&Wの「PW1400-G」が取り付けられた。
MS-21-300の納入は、型式証明の取得を経て、来年から開始される予定だ。最初の6機はアエロフロート子会社のロシア航空に引き渡される。