EBRDなど複数行、ポーランド製薬大手ポルファーマに計8億ユーロを融資

●ジェネリック薬大手の同社、資金は製品開発と気候変動対策に

●ジェンダー平等や多様性の受容と活用にも積極的に取り組む

ポーランドの製薬大手ポルファーマ(Polpharma)は6月28日、欧州復興開発銀行(EBRD)など複数の銀行から計8億ズロチ(1億7,700万ユーロ)の融資を受けると発表した。資金で製品開発を強化するほか、気候変動対策など持続可能な成長に向けた取り組みを加速させる。8億ズロチのうちEBRDは2億ズロチを融資する。

融資に参加するのはそのほか、仏BNPパリバ、ポーランドのPKOバンク、西サンタンデールの各行。ポルファーマは融資された資金で新しい有効成分や希少疾患向け製品を開発していくほか、事業による気候や環境への影響を最小化するための近代化プログラムを実施する。具体的には再生可能エネルギーの利用促進やエネルギー効率の向上を通じ、二酸化炭素(CO2)排出量を年間1万6,500万トン削減する方針だ。

環境関連投資のほかには、ジェンダーの問題に対する理解の促進を図るため、多様性の受容と活用を目指すダイバーシティ&インクルージョン・ポリシーの策定や、女性の経済界への進出を促すための議論などを主導していく。

同社はまた、ポーランドの非上場企業として初めて、EBRDとワルシャワ株式市場が共同で作成した「ESG報告ガイドライン」や気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿った活動を実施する予定だ。

ポルファーマは中東欧地域を代表するジェネリック医薬品メーカー。ポーランドとカザフスタンに工場と研究開発拠点を持つ。従業員数は7,500人。同社はポーランド科学アカデミーが開発した新型コロナウイルス用のPCRテスト機器を製品化している。(1PLN=29.28JP)

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