●天然ガスからのアンモニア・水素生産に向けた概念設計を行う
●アンモニアへの変換工程ではCCSやCCU技術を活用
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は7日、ロシアのイルクーツク石油会社(IOC)、東洋エンジニアリング(TOYO)、伊藤忠商事の3社と共同で、東シベリアと日本間のアンモニアバリューチェーンに関連する事業化調査の第2期を開始すると発表した。昨年実施した第1期調査を踏まえて、より詳細な調査を行い、アンモニアおよび水素の供給実現に向けた総合的な計画を立案する。
JOGMECによると、アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、火力発電所や船舶用エンジンの次世代燃料として期待されている。前回の調査では、IOCが生産する天然ガスをアンモニアに変換する工程にCCS(CO2を分離・回収して地中に閉じ込める技術)やCCU(回収したCO2を有効利用する技術)を組み合わせて低炭素アンモニアを量産し、日本への輸送体制を構築する可能性を検討した。
今回実施する第2期調査では、天然ガスからアンモニアや水素を生産するための概念設計を行うとともに、生産物の内陸輸送に向けた鉄道およびパイプラインの利用を検討する。それを踏まえ、事業化へのスケジュール設定と段階的な取り組みを提案していく予定だ。
JOGMECは資源開発において気候変動問題への対応が強く求められている状況に即し、資源開発と一体となったCCS事業の支援を強化している。