トルコ中銀が金利据え置き、インフレ率引き下げに向け引き締め維持

●金利19%の据え置きは4会合連続

●大統領は早期の利下げ求めるも、市場は時期尚早の見方

トルコ中央銀行は14日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を19%に据え置いた。金利据え置きは4会合連続。物価の上昇圧力を抑え、持続的にインフレ率を引き下げるため、引き締め政策を維持した。

同国のインフレ率は6月に17.5%となり、上げ幅は前月から0.9ポイント拡大した。昨年9月(11.8%)からの上げ幅は計5.7ポイントに達している。中銀は声明で、通貨リラ安に伴う輸入品価格の上昇や、コロナ禍からの景気回復に伴う需要の伸び、および一部のセクターでの供給制限などによりインフレ期待は依然として高いと指摘。過度の物価上昇を抑えるため金融引き締めの維持を決めたと説明した。

今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とコメント。ディスインフレ効果を維持するため、政策金利は引き続きインフレを上回る水準で決定することを明言した。

「高金利がインフレを招く」を持論とする同国のエルドアン大統領は以前から、7月か8月の利下げ実施を要求しているが、市場では時期尚早との見方が大半だ。蘭ING銀行のエコノミストであるムハメット・メルカン氏は、中銀が11月に1ポイントの利下げに踏み切ると予想しつつも、インフレ率の推移によっては2022年にずれ込む可能性を指摘した。

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