迷彩服とパンプス~ウクライナ

8月24日の独立記念日に催されるウクライナ軍パレードの予行演習で、女性兵士らが揃いのパンプスを履いていたことが波紋を大きく広げている。インターネットでは「性差別」との批判や怒りの声が上がり、議会でも激しい論戦が展開された。

事の始まりは、国防省がフェイスブックで予行演習中の防衛大学女学生の写真を公開したことにある。迷彩服に黒いパンプスを履いて行進する姿が映っており、公開直後から「性差別」と抗議する声が高まった。いつの間にか写真はフェイスブックから消えてしまったが、タラン国防相は批判を弱めるために違う靴の調達を検討する方針を示した。

軍の平等委員によると、パンプスのヒールの高さは5.4センチ。当の女学生らもタラン国防相と会合した際に「歩きにくい」と感想を話したため、新たな靴の調達を検討することになったという。国防省は一方で、記念日当日に女性兵士らは「パレード用の制服(スカートスーツ)を着用する見通し」として、「迷彩服にパンプス」の組み合わせが練習用だったことを強調した。

議会でも議論が白熱した。野党のイリーナ・ゲラシュチェンコ議員は本会議中にタラン国防相にハイヒールの靴を「プレゼント」。「ご自分で履いてみてください」というわけだ。

パンプスの調達費も問題になっている。軍の払った金額は一般で求める価格の6倍だったといい、贈収賄のにおいもする。

ウクライナ軍に従軍する女性は3万1,000人を超え、うち4,100人強が士官だ。コンドラチュク議会議長によると、ウクライナ危機が始まった2014年以来、東部の親ロ武装集団との戦いに臨んだ女性は1万3,500人に上るという。

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