ロシア国産EVは年内に量産開始、24年には燃料電池車も発売

●EV「ゼッタ」は4人乗り、価格は55万ルーブルから

●政府は早ければ来年から購入を助成する方針

ロシアのマントゥロフ産業貿易相はこのほど、初の国産電気自動車(EV)「ゼッタ(Zetta)」の量産が、予定通り年内に始まるとの見通しを示した。国内自動車最大手のアフトワズが本拠を構えるサマラ州トリヤッチで生産される。また、2024年には高級車アウルス「セナート」の燃料電池モデルも発売の予定だ。政府は30年までに自動車生産台数に占めるEVの割合を10%に引き上げる目標を掲げており、国産EVの開発を急いでいる。

ゼッタは4人乗りの3ドアハッチバック車。ホイール内にモーターを搭載するインホイールモーターを採用している。各ホイールに装備されるモーターは重量17キロで、最大出力が18.1キロワット(kW)、最大トルクは232ニュートン・メートル(Nm)。バッテリー容量は10キロワット時(kWh)と小さいが、180キロの航続距離を確保できるという。最高時速は120キロで、価格は55万ルーブル(約6,300ユーロ)からとなる。

ゼッタは当初、昨年末の量産開始が計画されていたが、新型コロナの流行と資金難で予定がずれ込んだ。

なお、ロシア政府はEV普及支援策として、早ければ来年から国産EVの購入を助成する方針だ。価格の25%、最大62万5,000ルーブル(7,210ユーロ)を支給する。

ロイター通信によると、2030年のEV生産目標である「自動車生産台数の10%」は、22万台に相当する。(1RUB=1.50JPY)

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