●フォーテックは業務デジタル化サービスの需要取り込みを狙う
●昨年の売上高は3350万ユーロ、今年は4000万ユーロ達成目指す
ルーマニアのソフトウエア開発企業フォーテック(Fortech)は18日、提携している同国のIT企業ジッパー・スタジオズを買収すると発表した。買収合併(M&A)を通じて事業を拡大する戦略の一環。取引金額は明らかにされていない。
ジッパーは2017年の設立。フォーテックと同じクルジュ・ナポカに本社を置き、ITのカスタムサービスを提供する。ソフトウエア開発全般を手がけ、フォーテックとは2年前から提携関係にある。年商規模は40万ユーロ。フォーテックは両社のノウハウを組み合わせることで新技術開発への道が開け、サービスを迅速に提供できるようになるとみている。
フォーテックは新型コロナ流行で業務デジタル化サービスの緊急性・需要が高まっていることを踏まえ、適切なノウハウを持つ企業を買収して業務を拡充する戦略を描く。市場のニーズが変化しているのを受け、保険や金融サービスなど規制分野や、自動車、専門サービス、製造業に重点を置いていく。買収対象としては、比較的規模が小さく、フォーテックのノウハウ、専門分野の拡大、成長力強化に貢献する企業を探す。
フォーテックは2003年の創業で、4つの開発センターを運営する。フリーランスも含めて900人強が従事している。昨年の売上高は3,350万ユーロで、今年は4,000万ユーロの達成を狙う。M&A戦略で今後も年25%以上の増収を目指すほか、雇用強化・ソフト開発サービスの専門性向上に務める計画も明らかにしている。