スロバキアとポーランド、ガスパイプラインが接続

●欧州南北間のガス供給を円滑化、2022年3月に運用開始予定

●EUの「共通利益プロジェクト」(PCI)の枠組みで実施

スロバキアとポーランドを結ぶ天然ガスパイプラインが8月初めに相互接続された。同パイプラインは欧州の南北間を結び天然ガスの供給円滑化を図るためのもので、欧州連合(EU)域内のエネルギー・交通・通信インフラの形成を促進するプログラム「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ」(CEF)などの助成を受けている。当初の計画通り2022年3月には運用が開始される予定だ。

プロジェクトを主導するポーランド国営の送ガス事業者ガスシステムのシュテピエン社長は、導管の相互接続により地域における天然ガスの安定供給が促進されると述べた。

同パイプラインはポーランド南東部のストラホチナとスロバキア東部のベリケー・カプシャニを結ぶ。総延長は164キロメートルで、61.3キロメートルがポーランド側、103キロメートルがスロバキア側となっている。輸送能力はスロバキア方面向けが年間47億立方メートル、ポーランド方面向けが年間57億立方メートル。ポーランド側はガスシステム、スロバキア側はユーストリームが事業主体となっている。

両国間のガスパイプラインの接続は、EUが進めるガスパイプラインの相互接続促進プロジェクトのうち中欧と南東欧を南北に結ぶ「中欧・南東欧・南北ガス相互接続パイプライン(NSI East Gas)」の一部を構成するものだ。EUの「共通利益プロジェクト」(PCI)の枠組みで実施されており、CEFと「汎欧州エネルギーネットワーク(TEN-E)」の両プログラムから支援を受けている。

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