fDiインテリジェンスの将来性ランキング、東欧は「費用対効果」で高評価

●10位のブカレストはじめ、上位25都市に7都市がランクイン

●賃金水準に依拠する「費用対効果」が評価

英有力経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の投資調査部門fDiインテリジェンスがまとめた世界主要都市の将来性に関するランキングのテクノロジー部門で、ブカレストが10位に入り、東欧の都市で最高の順位となった。東欧では他にモスクワ(14位)、ワルシャワ(16位)、ビリニュス(17位)などが高評価を受け、上位25都市のうち7都市を占めた。

テクノロジー部門の評価の基準となる5項目のうち、東欧の都市が強いのは「費用対効果」で、1位のヤシ(ルーマニア)をはじめ、10位までを独占した。一方で、全般的な経営環境を評価する「経済的ポテンシャル」でトップ10入りしたのは1都市(プラハ)、「国外直接投資(FDI)の経済効果」で2都市(ビリニュス、ソフィア)、「スタートアップの起業・経営環境」で1都市(モスクワ)、研究環境や人材の豊富さなどを測る「技術開発力・魅力」でゼロと不振だった。賃金水準が評価を大きく左右する「費用対効果」に比べ、行政側の総合的な取り組みが必要な他の基準では西欧の都市がリードしているもようだ。

fDiインテリジェンスは昨年、欧州都市の将来性ランキングにテクノロジー部門を新設した。税制、事業者数、新規採用に伴う費用、経済使節団の受け入れ態勢、ビジネスイベント開催の可能性などを勘案して順位をはじき出す。今年は欧州31カ国76都市が評価対象となった。

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