●現行の決済インフラの補完的システムという観点から調査
●試験結果は来年発表の予定
中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究開発プロジェクトに取り組むトルコ中央銀行(CBRT)は15日、実証試験に向けて、国内の情報通信技術の有力企業・機関と提携したと発表した。様々なデジタル化技術を評価し、システム設定を最終決定した上で、デジタルトルコリラが技術的に経済、法律、金融上の要求を満たすかを判断する。
トルコ中銀は、現行の決済インフラの補完的システムという観点から、デジタルトルコリラの利点を調査している。CBDCコンセプトの戦略と技術に関わる評価が終わり、このほど実地調査のため、トルコ軍財団傘下の防衛用通信・情報技術会社のアセルサン(ASELSAN)とハヴェルサン(HAVELSAN)、トルコ科学技術研究委員会の3者が2010年に立ち上げた情報処理・情報安全研究センター、テュビタク・ビルジェム(T B TAK-B LGEM)と提携した。
まず予備調査として「デジタルトルコリラ・ネットワーク」のプロトタイプを開発し、流通チャネルを制限して実証試験を行う。この結果は来年発表する予定で、これに基づき流通分野を拡大する。ブロックチェーン技術、決済システムでの分散型台帳使用、即時決済システムの統合など、他の分野に関わるテストも行う計画だ。