●ヤマル・ネネツ自治管区で石油・天然ガスの生産クラスタ設置
●将来的には全国に提携を拡大する方針
ロシア国営ガスプロムは16日、民間石油ガス最大手ルクオイルと、石油・天然ガスの開発生産で合弁会社を設立することで基本合意した。炭化水素原料の探査、生産、輸送、加工を中心とする戦略提携を深めるもので、シベリア北部ヤマル・ネネツ自治管区のナジム・プル・タズ地区で大規模な石油・天然ガス生産集積地(クラスタ)の設置運営に取り組む。今後数カ月で計画の詳細を具体化するとともに、当局の許可を取得する。将来的にはロシア全土に提携を拡大したい意向だ。
今回の提携は、セヴェロサンブルクスコエ(Severo-Samburgskoye)、メレトヤヒンスコエ(Meretoyakhinskoe)の両鉱区およびザパドノユビレイニ(Zapadno-Yubileyny)にある2鉱区における活動が対象となる。まずはガスプロム傘下の石油大手ガスプロムネフチ子会社メレトヤフネフチガスを共同運営し、今年6月に生産開始したタゾフスコエ(Tazovskoye)鉱区の運営に重点を置く。
新クラスタの埋蔵鉱量(地中にある鉱床の質量)は合わせて原油10億トン強、天然ガス約5,000億立方メートルに上るという。
ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は、「両社が力を合わせ、技術的に最も適した手法を導入することにより、地質学的に採掘が難しい北極圏の鉱床を開発できるようになる」と抱負を語った。
ルクオイルのヴァギト・アレクペロフCEOは国内プロジェクトが同社の優先課題であると強調したうえで、「ヤマル・ネネツ自治管区における炭化水素原料クラスタの形成は、将来のカギを握る重要な課題だ。ガスプロムおよびガスプロムネフチとの提携でプロジェクトが実現すれば、生産量の拡大だけでなく国の税収増、関連産業へのプラス効果も見込める」と期待を示した。