旧ユーゴのカルト車「ユーゴ」、電動モデルで復活か

●リマックやフィアットなどのプロジェクト参加を予想

●バッテリーにセルビアで産出したリチウムを用いる構想

セルビアで旧ユーゴスラビア時代の自動車を復活させる構想が出ている。自動車デザイナーのデヤン・フリストフ氏が企図しているもので、かつて米国などに輸出されカルト的な人気を誇っていた国民車「ユーゴ」を電動車として復刻させるという提案だ。同氏はこのアイデアをセルビア政府に持ちかける予定。

「ユーゴ」は「ザスタバ・コラル」又は「ユーゴ・コラル」とも呼ばれていた小型車で、旧ユーゴ及びセルビアの自動車メーカー、ザスタバ(Zastava)によって2008年の生産終了までの28年間に80万台が生産された。1980年代後半には米国にも輸出され、4,000ドルを切る低価格で販売されていた。

フリストフ氏は「ユーゴ」復活にあたり、クロアチアの電動スーパーカーメーカー、リマック(Rimac)がプロジェクトに参加することが考えられるほか、旧「ユーゴ」には伊フィアットがエンジンを供給していた経緯もあることからフィアット・クライスラーの現地会社が開発に加わることも一案だと話す。同氏はまた、ルノー・日産・三菱連合や中国の自動車メーカーを提携先の候補として挙げた。

北マケドニア出身のフリストフ氏はこれまでに独BMWやポルシェなどのデザインも手掛けてきた。同氏が想定する「ユーゴ」の電動モデルは出力が145馬力または245馬力。搭載するバッテリーについては、英豪系資源大手のリオ・ティントがセルビアのヤダル地方で240億ドルを投じて進めるリチウム採掘プロジェクトを挙げ、同国産リチウムを用いて生産したバッテリーを利用することで全体の生産コストを抑えることができると述べた。

競合相手としては、ホンダ「e」、ルノー「ゾエ(Zoe)」、ミニ「クーパーSE」、プジョー「e-208」、オペル「コルサe」を挙げた。

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