資源商社大手ヴィトル、ロスネフチから石油調達

●8年ぶりの長期契約、調達規模は年900万トン

●ヴィトルは他社と組みボストーク・オイル権益の5%を取得予定

スイスの大手資源商社ヴィトルが8年ぶりに、ロシア国営ロスネフチと石油の長期調達契約を結んだもようだ。今年6月には、ロスネフチの北極圏油田開発プロジェクト「ボストーク・オイル」の権益をヴィトル率いる企業連合が取得することで合意が成立しており、両社が関係強化を進めている様子がうかがわれる。

ロイター通信が5日、消息筋4人の情報として報じたところによると、ヴィトルは先月、ロスネフチと長期契約を交わした。ウラルおよび東シベリア・太平洋(ESPO)ブレンド、ソーコル原油を年900万トン(日量18万バレル)を調達する内容で、すでに供給が始まっているという。それまで、長期契約を結んだのは2013年の5年契約が最後だった。ロイター通信の取材に対し、両社はコメントを拒否している。

ヴィトルはこの秋、シンガポールの同業マーカンタイル・アンド・マリタイム(Marcantile & Maritime)と組み、ロスネフチのボストーク・オイル事業の権益5%を取得する予定となっている。取引規模は明らかにされていないが、やはりスイスの資源商社であるトラフィグラが今年、ボストーク・オイルの権益10%を取得した際の買収価格は70億ユーロに上った。

ボストーク・オイルは、ロシア史上最大級の石油開発プロジェクトで、その規模は1970年代の西シベリア開発に匹敵すると言われる。

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