センサー製造のセンシリオン、ハンガリー新工場の運営好調

●デブレツェン工場の拡張は受注好調を受けた生産拡大措置

●同拠点では自動車向けセンサーの開発チームも結成

スイスのセンサー部品大手センシリオンが今年夏にハンガリー東部のデブレツェン工場に新設した生産棟が順調に稼働している。受注好調を受けて生産能力を拡大したもので、スイスなど他の拠点の雇用は維持するとしている。デブレツェン拠点を強化した理由としては、欧州の取引先に近い地の利◇教育水準の高さ◇地元の支援――などを挙げている。

センシリオンは気体・液体流量計や圧力センサー、温湿度センサー、ガスセンサー、PM2.5(微小粒子状物質)センサーなどの製造を手がける。新生産棟は昨年6月末に建設を開始し、今年7月に完成した。8月末に人工呼吸用マスフローセンサ―の生産を開始し、すでに取引先へ供給している。

先月初めには自動車向けセンサーの開発チームをデブレツェンで結成する決定が下された。欧州自動車業界の要求水準の多くに対応する形で、包括的なシステム開発を担当することになる。

新生産棟の整備では、持続可能性(サステナビリティ)を重視した。地熱・熱交換器と蓄熱システムを組み合わせ、化石資源を全く使用することなく運営できる体制を整えたほか、LED照明の採用、包装材・古紙リサイクルの導入を実現した。専用駐車場には現地産の樹木を植え、工場敷地内の緑地には養蜂園を設けた。

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