●米ロ同時上場で3億5,000万米ドルを調達する計画か
●モスクワでの同社シェアは競合ヤンデックスを抑え首位
ロシアのカーシェアリング大手デリモービル(Delimobil)は9日、米ニューヨーク証券取引所における株式新規公開(IPO)を申請した。売却条件は明らかになっていないが、ロイター通信によると、米ロ同時上場で3億5,000万米ドルを調達する計画だ。
デリモービルは2015年の創業。国内11都市で自動車1万8,000台強を運営する。首都モスクワに限ると8月の市場シェアが44.2%となり、競合大手のヤンデックス・ドライブ(37.7%)を抑えて1位に上昇した。
上場申請書によると、今年上半期の売上高は49億4,000万ルーブル(6,860万米ドル)と、前年同期実績22億5,000万ルーブルの2倍以上に急増した。損失も前年同期の23億ルーブル弱から10億7,000万ルーブルへ半減した。
デリモービルには今年6月、VTBキャピタルが7,500万ドルを出資。同社株13.4%を取得している。
世界経済の回復と欧米による対ロ追加制裁の懸念が弱まっていることを背景に、昨秋からロシア企業の上場が増えている。最近ではルネサンス保険およびIT企業ソフトラインが株式公開の意向を明らかにした。他には不動産データベース大手のツィアン、サンクトペテルブルグ証取が上場を予告している。モスクワ証取では年内に10社のIPOを見込む。(1RUB=1.57JPY)