●同社の工場として初めてカーボンニュートラルを達成
●年間電力使用量の90%を再生エネから調達して実現
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車は6日、ヴルフラビーにある変速機工場で、2020年の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減したと発表した。再生可能エネルギーの利用割合を高めることで、CO2排出量を年間4万5,000トンから3,000トンに減らすことに成功し、同社の工場として初めてカーボンニュートラル(実質ゼロの排出量)を達成した。同社は他の工場でもCO2排出量の削減を進めていく。
ヴルフラビー工場は昨年、年間の電力使用量4万7,000メガワット時(MWh)の90%に当たる4万1,500 MWhを再生エネ電源から調達することでCO2排出量を3,000トンまで削減した。この3,000トンについてはオフセット・クレジット制度を利用して相殺する。工場内の温度や換気、照明を適宜調整するなどエネルギー効率を向上させることで、昨年だけで2,000メガワット時(MWh)の熱エネルギーと1,500MWhの電力使用量を削減した。
同工場では2019年以来、生産工程で発生する廃棄物を再生利用している。また今年からは天然ガスに代わり、バイオガス生産施設から調達したメタンガスの利用も開始した。同工場ではDSGと呼ばれる7段変速のデュアルクラッチ式トランスミッション「DQ200」を2012年以来生産しており、年間生産量は300万基に上る。
シュコダ自は環境保護強化に向けた投資を進めてきた。インドのプネ工場では同国最大規模の屋上式太陽光発電設備が導入されている。本社工場であるチェコのムラダー・ボラスラフ工場にも国内最大の屋上式太陽光発電設備が設置されている他、コジェネレーション施設では全体の30%に再生可能原料が使用されている。
同社は車両からのCO2排出量を2030年までに20年比で50%以上削減する目標を掲げており、そのため欧州で販売する電気自動車(EV)の割合を50%から70%まで引き上げる予定だ。また、2030年までに新しい電動モデルを3種類発表することを計画している。