ロマノフの結婚~ロシア

1917年のロシア革命まで同国を治めていたロマノフ家の子孫が今月1日、サンクトペテルブルクの聖イサアク大聖堂で結婚式を挙げた。同家の人間が所縁ある同地で婚礼を祝うのは実に127年ぶりとなる。

新郎は、ロシア最後の皇帝(ツァーリ)ニコライ2世の従弟キリル・ウラジーミロヴィチ大公のひ孫に当たるゲオルギ・ミハイロヴィッチ・ロマノフさん(40)。新婦はイタリア外交官の娘で、昨年にロシア正教に改宗したヴィクトリヤ・ロマノヴナさん(39、改宗前の名前はレベッカ・ベッタリーニ)だ。二人は先月24日に役所婚を済ませて教会での挙式に臨んだ。

招待客はおよそ1,500人に上り、ブルガリアのシメオン・サクスコブルクゴツキ(シメオン2世)夫妻、ベルギーのレア王女、アルバニアのレカ王太子夫妻、ジョアキム・ミュラ・ポンテコルヴォ大公夫妻などの欧州貴族のほか、ルクセンブルクのベッテル首相とその夫、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官なども臨席した。

ゲオルギさんの母親、マリヤ・ウラジーミロヴナさん(67)はキリル大公の息子であるウラジーミル・キリロヴィチ氏の一人娘で、「ロシア皇位請求者」を名乗っている。しかし、ロマノフ家の掟では女子や「身分の釣り合わない婚姻で出生」した子には継承権が認められないため、マリヤさんおよびその息子であるゲオルギさんは「皇位請求」の権利はないという意見がある。

しかし、ロシア革命からすでに1世紀あまり。ロマノフ家のなかの解釈の違いが大勢に影響することはなく、今回の婚礼は政治や陰謀抜きの私的な祝い事ということですみそうだ。

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