次世代EC基盤のビュー・ストアフロント、1,740万ドルを調達

●ヘッドレスコマースはユーザーの利用端末を選ばない

●同社は開発用クラウドソースGitHubで開発者の注目を集める

ヘッドレスコマース用高速フロントエンド基盤の開発運営を手がけるポーランドの「ビュー・ストアフロント(vue Storefront)」はこのほど実施したシリーズAの資金調達ラウンドで、1,740万米ドルを調達した。同資金は事業規模の拡大と、中小企業向けサービス強化に振り向ける。

ヘッドレスコマースは次世代型の電子商取引(EC)プラットフォームで、多端末・多メディア時代に対応し、接客機能と決済処理・在庫管理などの機能を分離する構造となっている。ユーザーの利用する端末を選ばず、ECサイトの裏側のシステム(バックエンド)からユーザーの見るフロント(=ヘッド)へ情報を送ることができるのが特長だ。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)でソフト同士がデータをやり取りするため、バックエンド側はシステムを変更することなく、ユーザーの使う端末・機器に対応できる。

ビュー・ストアフロントは、チーム開発のためのクラウドソースGitHub(ギットハブ)で、EC向けフロントエンド基盤として開発者の注目を集めている。ECプラットフォームと、さまざまな関連サービス(コンテンツ管理システムやユーザーエクスペリエンス向上ツールなど)を結合させる役目を負っている。

提携先には、ECソリューションのコマースツールズ、SAPや、顧客情報管理(CRM)のセールスフォース、EC基盤のビッグコマース、ITコンサルティングのEPAM、E2X、広告代理店のバルテック(Valtech)などが名を連ねる。現在、ビッグコマースおよびマジェントのEC基盤とバックヤードサービスを統合するプロジェクトを進めているところだ。

ビュー・ストアフロントのパトリック・フライデイ最高経営責任者(CEO)は、ビュー・ストアフロントを単なる開発者向けのツールから、ビジネスのニーズに対応したツールに成長させる意思を明らかにした。

今回の資金調達では、スウェーデンのクリーンダムがリードインベスターを務め、ドイツのアーリーバード・デジタル・イースト、パウア・ベンチャーズ、ポーランドのモヴェンス・キャピタルが投資した。エンジェル投資家では、vue.jsの生みの親であるエヴァン・ヨー氏、ネトリファイの創業者である

マティアス・クリステンスン、クリスティアン・バック(Bach)両氏、ギットハブのポール・セイントジョン元副社長、ヴィヴィーノの創業者ハイニ・ザカリヤセン氏が出資した。

過去の調達額と合わせたビュー・ストアフロントの調達総額は1,890万ドルに達した。

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