トルコのエドテック大手、僻地への出張科学教育事業を開始

●僻地に住む6万人の子どもに良質な教育機会を提供する目的

●特別仕様のトラックを「移動ラボ」とし、全国を行脚

トルコのエドテック大手ドーピングテクノロジー(Doping Technology)はこのほど、国内の僻地を対象に科学技術を中心とする出張教育事業を開始したことを明らかにした。「モバイル・サイエンス・ラボ」と呼ばれる同プロジェクトは体験用の先端技術装置を積んだトラックを全国に走らせ、良質な教育機会を提供することを目的としたもの。来年末までに計6万人の子供にサービスを提供していく予定だ。

同事業で使用されるのは「テクノロジー・トラック」と呼ばれる特別仕様のトラックで、仮想現実(VR)ヘッドセットや3Dプリンター、ドローンなどを備えているほか、高周波・高電圧発生装置の「テスラ・コイル」や静電発電機の「ファンデグラーフ発電機」、熱空気エンジンの「スターリングエンジン」といった画期的な歴史的発明品も搭載している。これらを教材として子供たちに提供し、創造性を刺激するのが狙いだ。すでに今月10日にサービスを開始しており、今年末までに1万5,000人、来年末までに4万5,000人を対象に展開していく予定。

「テクノロジー・トラック」をデザインしたエメル・カラクシュ氏は、テクノロジーへの依存度がますます高まる時代に子供たちの総合的な競争力を涵養することが重要だとした上で、同トラックの活動を通じて子供の視野を広げ刺激を与えることで、トルコの未来は開かれると述べた。

ドーピングテクノロジーは革新的な学習文化の発展を目的として2011年に設立された。主力のオンライン学習プラットフォーム「ドーピング・ハフィザ」は小学生を対象としたもので、数学や理科に対する理解をアニメーションやシミュレーションを使い深めることができるほか、地理や歴史に関しては思考の表現方法の一種であるマインドマップなどを活用した教材が提供されている。同プラットフォーム上で利用できる視覚教材の数は7万を超える。その他、自力で解けない問題の写真を送信し解説を受け取るサービスなどもある。

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