●セキュリティ需要の拡大に対応し、事業全体の強化を図る
●同社は信用スコア防御、偽造書類検出、詐欺手法発見など扱う
金融サービスのセキュリティ・ソリューションを開発するチェコのレジスタントAI(Resistant AI)はこのほど、「シリーズA」の資金調達ラウンドで1,660万米ドルを調達した。需要拡大に対応し、製品改良、開発強化、営業チーム拡充を進める。
レジスタントAIは、米IT大手シスコが2013年に買収したコグニティブ・セキュリティの関係者が19年に設立した。業務の自動化に伴い金融サービスが素早く、簡単に提供できるようになる一方、セキュリティの穴を狙った詐欺、資金洗浄といったサイバー犯罪への対策が重要になるとみて、システムを守るソリューションの開発に取り組んだ。
信用スコアリング・システムの防御、偽造書類の検出、新たな詐欺手法の発見、偽ID検出数のモニタリングなどのサービスを扱い、すでに銀行、保険会社、フィンテック企業(ペイオニア、ツイスト、スレットマークなど)の数多くを顧客として獲得している。
同社によると、◇世界で借入申込書に添付された銀行取引明細の17%が改ざん◇提出された英国の給与明細の11%が改ざんあるいは偽造◇口座開設時に提出された事業登録証明書の15%が偽造◇世界で住所証明として提出された公益料金請求書の9%が偽造――という。
Aラウンド調達では、GV(旧グーグル・ベンチャーズ)がリードインベスターを務め、従来からの株主であるインデックス・ベンチャーズ、クレド・ベンチャーズ、シードキャンプなどが投資した。