●プルゼニ工場の昨年のテレビ出荷台数は最盛期のおよそ半分
●新型コロナ流行により計画を前倒し、半導体不足も影響か
パナソニックが来年3月末をめどに、チェコ・プルゼニ工場におけるテレビ生産を中止する。需要縮小を受けたものだ。ヒートポンプとブルーレイレコーダーの製造は継続する。
パナソニック側は、「市場縮小で3~5年後にはテレビの生産を中止する見通しだったが、新型コロナの流行がこの計画を早めた」と説明している。金属労組(Kovo)のヤロスラフ・ソウチェク代表は、半導体不足が計画前倒しの要因の一つとなった可能性を指摘する。パナソニックによると、工場のフルタイム社員のうち、450人は解雇、残りは契約社員として雇用を継続する。
パナソニックは他の日系企業に先駆けてチェコに進出。1997年にプルゼニ工場が稼働した。2006~07年の全盛期には正社員2,500人を含む7,500人が働き、テレビを年150万台出荷した。
同工場は昨年、売上高で26%減の89億9,000万コルナ、純利益で5.9%増の3億2,400万コルナ(1,260万ユーロ)を計上した。製品の輸出比率は99%強、年平均雇用数は89人減の819人だった。テレビ出荷台数は最盛期のおよそ半分にとどまった。
パナソニックはチェコ中北部のパルドゥビツェでも工場を操業しており、カーラジオを生産している。(1CZK=5.14JPY)