トルコ即配サービスのゲティシュ、米国へ進出

●欧州含む10カ国で事業を展開

●同社はコロナ禍の巣ごもり需要を取り込み急成長

トルコの食料品即配大手ゲティシュ(Getir)は11日、世界最大の小売市場を擁する米国へ進出したと発表した。シカゴを手始めに、年末までにニューヨーク、ボストンへも守備範囲を広げる。同社は今年1月に欧州へ進出したばかり。米国を合わせると10カ国で事業を展開することになる。

ゲティシュは2015年の創業でイスタンブールに本拠を構える。スマホアプリから受注し、食料品・日用品を顧客の近くの倉庫から配達する「即配サービス」を生み出した。

新型コロナの世界的流行で消費者が店舗に出向くのに慎重となり、食品宅配サービスの利用が普及したため、同社の売上は急拡大した。これに伴い、企業価値も8億5,000万米ドルから75億ドルへ急上昇した。今年は3回の資金調達を実施し約10億ドルを集めた。10月までに英国、フランス、ドイツ、スペインなど欧州8カ国でサービスを開始している。

即配サービスにはベンチャーキャピタル(VC)はもちろん、既存の小売業者も注目している。リストにそって購入品をカートに集めていく注文形式とは異なり、アプリで手軽に頼めてすぐ届く即配は「単品を衝動買い」する消費者行動に適しているからだ。

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