ルーマニア中銀が2会合連続で利上げ、政策金利1.75%に

●経済環境の不透明性が一段と強まったとして追加利上げを決定

●9月のインフレ率は8月の5.25%から6.29%に拡大

ルーマニア中央銀行は9日、主要政策金利を0.25ポイント引き上げ、1.75%に設定した。利上げは2会合連続。前回会合では物価上昇の加速を受けて3年5カ月ぶりの利上げに踏み切ったが、経済環境の不透明性が一段と強まったとして追加利上げを決めた。

さらに中銀は、不透明な経済状況の中で金融政策を徐々に平常化するための措置として、主要政策金利と上限(貸出)・下限(預金)金利の差を従来の0.50ポイントから0.75ポイントに拡大した。これによって貸出金利は2.00%から2.50%に上昇し、預金金利は1.00%で据え置きとなった。

9月のインフレ率は8月の5.25%から6.29%に拡大した。天然ガス、電力料金などエネルギー価格の高騰が続いていることに加え、生鮮野菜の値上がりもインフレ加速の要因となった。インフレ率は中銀目標の2.5%(±1.0ポイント)を大きく上回り、過去3年間での最高の水準で推移している。

今後について中銀は、サプライチェーンの混乱でインフレ圧力が強まっていることから、特に短期的に物価が大幅上昇し、来年半ばまではインフレの高進が続くとみる。エネルギー価格は来年春先まで大幅上昇するが、その後はインフレ率が下向き、2023年7~9月期には目標の範囲内に収まると予測している。

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