●「ウストルガ」LNGプラントは年産量1,300万トン
●三菱は独リンデに対し、タービン4基とコンプレッサ10台を供給
三菱重工業は11月25日、ロシアのウストルガLNG(液化天然ガス)プロジェクト向けに、LNG生産の核となる設備一式を供給すると発表した。液化の工程で冷媒を昇圧するための主冷凍用コンプレッサを子会社の三菱重工コンプレッサが製作し、出力12万キロワット(kW)のH-100形ガスタービンで駆動させる。
ウストルガLNGプロジェクトは、バルト海沿岸のウストルガに世界最大規模となる年産量1,300万トンのLNGプラントと出荷ターミナルを整備するもの。国営ガスプロムとルスガスドビチャの折半出資会社ルスキムアライアンス(RusChemAlliance)が事業母体となり、2026年の稼働開始を目指している。三菱重工は同事業で液化プロセスを担当する独リンデに対し、ガスタービン4基とコンプレッサ10台を供給する。
H-100形ガスタービンは従来製品に比べ熱効率や燃焼性能が高く、二酸化炭素(CO2)と窒素酸化物(NOx)排出量を抑制できる。経済性の高い2軸方式の採用により、運用面でも柔軟かつ高負荷の運転が可能になり、LNG生産の最大化に寄与する。