●中東欧を魅力的と見る企業は64%と、西欧(80%)に次ぐ2位に
●欧州のFDI案件数ではポーランドが中東欧トップの6位
国際会計事務所大手のEYがまとめた最新リポートで、中東欧を投資先として「魅力的」とみる企業が64%に上っていることがわかった。北米(63%)、中国(53%)を抑え、堂々の2位につけた。1位は西欧の80%だった。
投資判断に当たって重要な基準としては、◇政治体制と法的枠組みの安定(53%)◇運輸・電気通信・エネルギーといったインフラが整備されており、安定的に機能する(44%)◇職能を有する人材を雇える(44%)――という回答が多かった。
2020年に欧州で発表された国外投資(FDI)プロジェクト数を対象国別でみると、ポーランドが6位で中東欧トップとなった。新型コロナの流行にもかかわらず、前年比でプロジェクト数は10%増加した。トルコは7位、ロシアは11位だった。ハンガリーは前年から54%も減り、セルビア(17位)、ルーマニア(18位)、リトアニア(19位)よりも低い20位に甘んじた。地理的にはドイツとポーランドの間の地域を中心に投資案件が増えている。
一方、コロナ危機によるサプライチェーンの混乱を受けて、資材や部品の調達先をアジアから欧州へ移管する予定の企業は約20%にとどまった。一方で調達先の多様化で特定地域への依存を避ける方針のところは40%前後に上り、これが中東欧での立地につながる可能性がある。
今回の調査は、今年3~4月に英ユーロマネーを通じ、欧州に拠点を持つ国際企業の経営層550人を対象にオンラインで実施した。