●20超の国内銀行が参加し、C2Cトランザクションの試験を行う
●中銀はCBDCに前向きも、暗号通貨には厳しい姿勢
ロシア中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルルーブル」の運用プラットフォームのプロトタイプで、リテール顧客間(C2C)トランザクションの稼働試験を開始する。中銀副総裁顧問のフルスタレフ氏がこのほどTASS通信に明らかにしたもので、20超の国内銀行が参加する。段階的に金融サービス会社も取り込んで参加者を増やすとともに、個人企業間(C2B)、企業個人間(B2C)、企業間(B2B)など他のトランザクションタイプでの試験も行う計画だ。
国内銀行大手のVTB銀行はデジタル通貨試験用に行内インフラを整備済みだ。同プラットフォームとの統合と、モバイルアプリでのデジタルウォレット開設やC2Cデジタル通貨送金などのサービスの導入を試験するという。中銀は試験結果を踏まえて「デジタルルーブル」プラットフォームを商業運用に公開する考えだ。
中銀はCBDC導入により資金の移動が容易かつ迅速化され、金融業のイノベーションと競争促進につながるうえ、政府関連事業で支出された資金の動きも追いやすくなると見ている。一方で、暗号通貨には厳しい姿勢で、先ごろ同関連の金融活動を広範囲で禁止する考えを示した。