●チェコは新車販売が増加もBEVは減少
●正反対のスロバキア、BEVは助成金なしの「自力」成長
チェコの新車市場は2021年、前年比1.9%増とわずかな増加にとどまった。増加が期待された完全電動車(BEV)は前年実績を616台下回る2,646台にとどまり、新車全体の1.3%を占めたに過ぎなかった。
今年は政府が9億4,000万コルナ(約3,800万ユーロ)をEモビリティ普及プログラムに支出する計画だ。電動乗用車3,525台、燃料電池乗用車30台、電動貨物自転車1,000台の購入を支援する。価格の敷居を下げることで利用拡大につなげる思惑がある。
また、充電インフラ拡充の必要性は政治家の間でも認識されておいる。エドゥアルド・ムジツキ前副産業相は、2030年までに国内3万5,000カ所に充電ステーションを設けて、同年までに最大50万台のBEV普及を目指す基盤を整える意向を示していた。これは、自動車産業が国内総生産の約10%、輸出高の20%を占める経済の屋台骨であることと無縁ではない。
一方、隣国スロバキアでは新車市場が0.8%の微減を示したが、BEVの新車販売に占める割合は0.4ポイント増の1.5%へ上昇した。低水準での増加とはいえ、助成金なしの「自力」成長であった点で注目に値する動きだ。
政府は今年、新たに購入助成を行う予定だ。ハイブリッド車への助成金額は2019年の5,000ユーロより少なくなる見通し。また、リヒャルト・スリーク経済相によると、1台当たりの金額を小さくし、より多くの人が助成を受けられるような形になるという。(1CZK=5.29JPY)