ポーランドのマビオン、ノババックス・ワクチンの抗原生産を開始

●当初予定の第2四半期より早くフル稼働に移行

●抗原生産からの売上高は15億ズロチ強にのぼる見通し

ポーランドのバイオ技術企業マビオン(Mabion)はこのほど、中部コンスタンティヌフ・ウジキの工場で、米ノババックスの新型コロナワクチンに使われる抗原の生産を開始した。同ワクチンの有効成分となるもので、当初予定の第2四半期より早くフル稼働に移行するもようだ。

マビオンは昨年3月にノババックスとワクチン生産ライセンス取得で枠組み契約を締結。政府系のポーランド開発基金(PFR)から支援を受けて生産能力を拡充し、臨床試験に使われたワクチン用にも抗体を生産した。

工場の生産ラインは現在1本だが、マビオンによると、第2ラインを設置する計画もある。第1ライン担当の従事員は250人で、新ラインが設けられれば増員につながる。

マビオンはノババックス・ワクチン用の抗原生産からの売上高が15億ズロチ強(約3億2,700万ユーロ)にのぼる見通し。先月には同社からさらに細胞バンクの作成を受注し、提携を拡大している。細胞バンクは抗原生産に必要なものだ。

ノババックスのワクチンは、ウイルスのタンパク質の一部だけを使う、組み換えタンパクワクチンだ。欧州では12月に正式承認された。18歳以上が対象で、3週間の間隔をあけて2回接種する。

欧州委員会はすでに8月にノババックスと2023年までに最大2億回分のワクチンを購入する契約を結んでいる。当初予定よりやや遅れて今月中に供給が開始される見通しだ。(1PLN=29.08JPY)

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