イスラエルのミリ波センサ開発企業、日本法人を設立

●高齢者介護分野と自動車産業を重点に、日本事業を本格化

●同社の「RoC」はカメラを使わない高精度の検知技術

4Dイメージングレーダー技術を手がけるイスラエルのバヤ(Vayyar)・イメージングは22日、東京を拠点とする日本法人「バヤ・イメージング・ジャパン」を設立したと発表した。高齢者介護分野と自動車産業を重点に、日本事業を本格化させる。日本企業との提携関係を拡大・深化して、アジア太平洋地域における成長を目指す。

バヤは2011年の創業。テルアビブに近いイェハッドに本拠を置く。ミリ波レーダーの送受信回路と信号処理プロセッサを統合した半導体「レーダー・オン・チップ(RoC)」を手がける。カメラを使わずに複数の物体や人物の動きをリアルタイムでとらえる技術だ。物陰など、見えない場所の動きを検知することもできるという。1つの半導体で48個の送受信アンテナを駆動できるため、約5センチの精度で位置を示すことが可能だ。

高齢者介護分野では、室内での転倒検知や生活行動をリアルタイムで見守る機能を提供する。検知角度が最大170度と広く、ミリ波を用いているため暗闇や、湯気の立った環境でも使える。動きだけをとらえるため、寝室や浴室といったプライバシー度の高い場所にも配備しやすい。また、1つのセンサでさまざまな機能をこなせるため、センサをたくさん設置しなくてよいのが特長だ。

自動車産業向けでは、車室内の人員検知を可能にする。◇居眠り運転◇乳幼児やペットの車内放置◇シートベルト非着用――などに対する警告装置に利用できる。同時に、全方位車外モニターとして、自動運転に不可欠なレーダーソリューションを提供する。

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