●航続距離の長さと価格競争力を武器に、長期的に攻略する戦略
●受注好調のEV「幾何C」は3万7,000ユーロから
中国自動車最大手の吉利汽車がイスラエル市場での電動車(EV)展開に意欲を燃やしている。現地子会社のロネン・ヤブロン社長は、航続距離の長さと価格競争力を武器に、長期的に同市場を攻略していく戦略を明確にした。まずは、現地仕様を採用して販売モデルを増やしていく方針だ。
吉利は昨年11月、イスラエルでクロスオーバーEV「幾何(ジオメトリー)C」を発売して市場参入を果たした。航続距離350キロで13万5,430シェケル(3万7,000ユーロ)から、460キロで14万5,430シェケル(4万ユーロ)からという価格競争力が奏功して、これまでに1,600台を受注済みという。
気候変動への危機感からEVの人気が高まっているのはイスラエルも同じで、ヤブロン社長によると今年のEV販売台数は1万台、来年は少なくとも2万台に達する見通しだ。
同国では2018年の時点で、ユヴァル・シュタイニッツ・エネルギー相(当時)が2030年にガソリン・ディーゼルの新車販売を禁止する計画を発表済み。充電スタンドについては、政府が今後2年で合計6,000万シェケル(1,650万ユーロ)を支出し、整備を進める計画となっている。(1ILS=35.75JPY)