イスラエル食品大手、フードテックのVC設立

●同国フードテック企業は昨年だけで過去5年分を上回る額を調達

●投資対象事業は耕作作物、新製法、スマート工場などを想定

イスラエル大手食品メーカー、トヌバ(Tnuva)はこのほど、新たに投資ファンドを設立することを明らかにした。「トヌバ・ネクスト」と呼ばれる新ファンドは外部のスタートアップに直接資金を供給するベンチャーキャピタル(VC)で、フードテックなどの成長分野に投資していく予定。

新ファンドはインキュベーション段階やシード段階を卒業した企業、シリーズA段階のスタートアップを対象とし、年間2社から3社に投資する。分野としては耕作作物、新製法、スマート工場、テーラーメイドの栄養補給などに関連する事業が想定されている。

1926年に設立されたトヌバはFMCG(日用消費財)で同国を代表する企業。同社は2019年に食品と農業に特化したテック系インキュベーターのフレッシュ・スタートを設立した。フレッシュ・スタートに対しては飲料メーカーのテンポ、株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームを運営するアウワー・ワールド、食品と農業に特化したベンチャーキャピタルのフィニステレ・ベンチャーズが3,700万シェケルを出資している。これまでに同インキュベーターで、8つのフードテック系スタートアップが創業している。

同国のフードテック企業は2021年だけで過去5年間の合計を上回る6億4,500万ドルを調達した。同国ではフードテック系スタートアップが毎年42社誕生している。

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