●アグリテックやヘルステック、AI、デジタル化などで提携を深化
●両国共同の研究開発財団は25年間で190案件に1.2億ドルを支援
シンガポールのビビアン・バラクリシュナン外務大臣は21日、イスラエルを訪れ、同国のオリット・ファルカシュ・ハコーエン革新科学技術大臣と人工知能(AI)分野における提携で基本合意書を交わした。シンガポールのスマートネーション・デジタル政府局(SNDGO)とイスラエル革新科学技術省が協力し、AIの開発と実用化を支援することで全体の利益に寄与するのが目的としている。
両相は、今回の合意がイノベーション・技術、貿易・投資、研究開発(R&D)、教育などにおける従来の提携を深めるものと歓迎している。両国が1997年に設立したシンガポール・イスラエル産業研究開発財団は、発足以来の25年間で約190案件のプロジェクトに総額1億2,000万米ドルの資金を提供してきた。
バラクリシュナン外相はパンデミック後を視野に、アグリテックやヘルステック、AI、デジタル化など最先端分野でイスラエルとの提携を深めたい意向だ。また、テルアビブでの大使館開設にも意欲を示した。
イスラエルのヤイール・ラピード副首相兼外相との会談では、パレスチナ問題について意見を交わした。イスラエル外務省の発表によると、バラクリシュナン外相は、シンガポールが「二国家解決」を常に支持してきた立場を確認し、双方がその枠組みの中で直接交渉できるようになることを望んでいると話した。