●通常6~12週間かかる審査が、わずか72時間で完了
●合弁会社はイスラエルのフィンテック企業と折半で設立
イスラエルのフィンテック企業リクィディティと三菱UFJ銀行(MUFG)の合弁会社マーズ・グロース・キャピタル(シンガポール)はこのほど、アラブ首長国連邦(UAE)のトラック配車サービス事業者トラッカー(TruKKer)への融資に向けた財務審査を、人工知能(AI)ベースの独自システムで実施した。この種の審査は通常6~12週間かかるが、独自システムではわずか72時間で完了。4,000万米ドルの融資を実施することになった。
マーズ・グロースは2020年に両社が折半出資して設立したスタートアップファイナンス企業だ。企業融資の判断は決算内容がベースとなり、赤字であることが多いスタートアップは借りられないことが多い。そこで、ユーザー数の伸びや離職率など、決算ではないデータを分析して与信判断をする形とした。AIを活用するリクィディティの技術とMUFGのノウハウを組み合わせている。
マーズ・グロースは2つのファンドを運営しており、MUFGは合計5億ドルを出資している。
トラッカーは2016年の創業。中東・アジア初を自認する貨物マッチングアプリを運営する。トラックの稼働率を上げたい輸送業者と、条件に合った業者を見つけたい利用客のニーズをマッチさせる目的だ。客側には自動予約、リアルタイム追跡・監視ができる利点があり、輸送業者側には書類の自動記入、収入の安定化といった特長があるという。