ヤンデックス、2事業の売却を検討

●社債の繰り上げ償還に備え資金を準備する狙い

●売却先の有力候補はVK(旧メール・ル)か

ロシアIT大手ヤンデックスが事業計画を見直している。社債の繰り上げ償還を求められた場合を想定し、資金を準備する狙いとみられる。ニュースアグリゲーション・サービスの「ヤンデックス・ニュース」とユーザー生成コンテンツ(YGC)推薦・ブログプラットフォームの「ゼン(Zen)」の売却も検討している。売却先候補は明らかにしていないが、関係筋によるとVK(旧メール・ル)が有力なもようだ。ただ、売却を検討し始めた段階のため、実際に売却につながるかどうか、現時点ではわからない。

ヤンデックスはこれにより、他のテクノロジー関連事業(検索、広告、自動運転、クラウド)とトランザクションサービス(配車、電子商取引、動画・音楽、ストリーミング)などに注力する方針だ。

ヤンデックスは企業としては欧米などからの制裁対象となっていない。しかし、ティグラン・フダヴェルディヤン副最高経営責任者(CEO)が対象となり、すでに辞任している。

ヤンデックスは2011年5月に米ナスダックへ上場した。ロシアのウクライナ侵攻の影響で同証取での取引が停止されたため、最大12億5,000万米ドル相当の社債を繰り上げ償還しなければならなくなった。取引停止時の時価は68億ドルだった。

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