●停止の決定は操業再開のわずか2日後
●通年の営業利益率見通しを約1ポイント引き下げ
仏自動車大手ルノーは23日、ロシアのモスクワ工場を停止したと発表した。同国での事業継続に対する風当たりが強まる中、すでに操業を停止している競合と足並みを揃えた格好だ。株式の68%を握る同国の自動車最大手アフトワズとの提携についても見直しを進める。
ルノーは21日にモスクワ工場の操業を再開したばかり。同社の昨年のロシア販売台数はグループ全体の約18%にあたる48万2,000台(内アフトワズが38万5,000台)で、他の欧米の自動車大手に比べて同国事業の規模が大きい。生産の再開には筆頭株主であるフランス政府の支持もあったとされる。
今回の決定に伴い、ルノーは通年の営業利益率見通しを従来の4%以上から約3%へと下方修正した。自動車事業のフリーキャッシュフローも計画の「10億ユーロ以上」に届かないとみる。
「ラーダ」ブランドで有名なアフトワズには2007年から資本参加している。4万5,000人に上る同社従業員についてルノーは「責任をもって行動する」としている。