●「コアOS」の事業名でカーネル開発のスタッフを求人
●プラハ拠点はこれまでも「iOS」などの開発タスクに関与
米アップルがプラハ開発拠点で基本ソフト(OS)の開発チームを組織しているもようだ。「コアOS」事業の名前で、OSの中核にあたるカーネル開発のエンジニア、プログラマ、マネジャーを求人している。新チームは半導体メーカーのインテル、ARMのほか、グループ内の半導体部門と提携して開発を進めるもようだ。
アップルは現地メディアの取材に対し、プラハ拠点の強化についてはコメントを拒否した。コアOSチームの役割については、「全製品のOS・システム機能のコアを開発すると同時に、ARM、インテルの半導体用にソフトを開発する」と説明。コアOSが「iPhone」や「iPad」、「Mac」ブランドの成功を支えているという見方を示した。
アップルは2009年にチェコ子会社を設立し、13年からプラハで開発している。しかし、具体的な事業内容は明らかにしていない。テクノロジー情報サイト「インスマート」のルカーシュ・ヴォルジーシェク主任編集員によると、公に宣伝されることはないが、プラハ拠点は生体認証システム「Touch ID」の開発のほか、「iOS」、「macOS」、「WatchOS」などのOS開発タスクに携わってきたという。
チェコにはアップルのほか、グーグル、マイクロソフト、IBMなどの他の大手も進出している。能力の高い人材を比較的安く雇えるのが強みで、プラハのほか、大学所在地のブルノに拠点がある。