まずは航空機で「ソ連復活」~ロシア

ロシアが「ソ連モデル」の航空機の生産再開を検討している。欧米による制裁発動で「西側部品」が調達できなくなったためだ。ロシアは航空会社がリースしたエアバスやボーイングの機材を返却せずに運航を続ける姿勢だが、遅かれ早かれ部品が摩耗するのは避けられない。そこで「ソ連モデル」の復活が選択肢として登場したわけだ。

ロステックのセルゲイ・シェメゾフ社長の話としてタス通信が伝えたところによると、「イリューシン96」および「ツポレフ204」を生産できるかどうか検討するという。イリューシン96は最大旅客数300人弱の長距離旅客機で、テスト飛行の段階でソ連が崩壊してしまい、本格運用に入る前に「過去の遺物」となってしまった。現役として飛んでいるのは大統領専用機など、わずかを残すのみだ。ツポレフ204は最大旅客数210人の中距離旅客機で、1989年に初飛行したが、その後はイリューシン同様、影の存在となっていた。

ソ連崩壊後は、ロシアの航空会社でもエアバスやボーイングが主流となった。スホーイの中型旅客機「スーパージェット100」、イルクートの短中距離旅客機「MC-21」も開発されたが、「西側」メーカーの部品を採用しており、すぐに国産化するわけにはいかないという事情がある。

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