車両点検システムのドライブX、100万ドルを調達

●AIを活用し点検の過程をデジタル化

●点検時間の短縮により、保険会社のコストを最大9割削減

自動車の遠隔点検システムを手がけるエストニアのドライブX(DriveX)がこのほど、100万米ドルの調達に成功した。事業の地理的拡大とともに、保険以外の業界での需要掘り起こしに活用する。また、損傷検知システムの運用開始の経費として支出する。

ドライブXは、2019年にタリンを拠点として創業した。人工知能(AI)を活用して車両点検の過程をデジタル化し、保険業界などで売り込みをかけている。

車両保険では、保険金請求時に損害額が水増しされるケースが多い。ドライブXのソリューションは、保険の対象となる車両の写真撮影を標準化し、その画像を基に元からある損傷を自動検知する。契約プロセスに組み入れておけば、後の保険金請求時にどれが新しい傷なのかがわかるという仕組みだ。

人手に頼る点検に比べて時間がかからないため、保険会社の点検コストが最大9割削減できるという。

ドライブXでは今後、自動車のレンタル、リース、販売などの分野でも需要の掘り起こしを狙う。地理的には中東欧での地盤強化に努めるとともに、アフリカや中東といった新市場にも目を向ける。

今回の資金調達ではチェコのDEPOベンチャーズがリードインベスターを務め、米シリコンバレーのベンチャーキャピタル大手プラグ・アンド・プレイも投資した。

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