レール・バルティカ、リトアニアで関連工事開始

●同事業はワルシャワとタリンを結ぶ大型鉄道整備プロジェクト

●バルト3国の870キロメートルの鉄道区間が電化される予定

ポーランドとエストニア間の直通運転を目指す鉄道整備プロジェクト、「レール・バルティカ」のリトアニア区間の関連工事がこのほど始まった。同国での事業母体LTGインフラが建設資材輸送のための道路の建設に着手した。投資額は6,600万ユーロで、完成は来年6月となる見通し。

工事を担当するユーロビア・リィエツゥバが、鉄道敷設後に地元住民が利用する生活道路と、鉄道の保守・管理に必要となる道路を建設する。道路の総延長は18キロメートルで、排水溝や排水用ポンプも設置する。鉄道保守・管理用道路が建設できない区間には線路脇に側線を設ける。同社の担当者は、新しい鉄道の敷設で他の欧州諸国との往来が容易になる他、軍の移動を確実に行えるようになると述べた。

また、同国中部のヨナバ近郊にあるネリス川に架かる鉄橋建設工事についても年内の着工を予定している。全長1,500メートルの同鉄橋は完成すればバルト3国最長のものとなる。

レール・バルティカは汎欧州運輸ネットワーク(TEN-T)の一部を構成するもので、ポーランドのワルシャワからリトアニアのカウナス、ラトビアのリガを経由してエストニアの首都タリンに至る路線を整備する。線路には欧州の標準軌(1,435ミリメートル)の複線を採用し、時速249キロメートルの高速鉄道が走行する予定。

バルト3国にとり過去最大規模となる同事業により、3国の870キロメートルの区間が電化される。国別では、リトアニア国内が392キロメートル、ラトビアが264キロメートル、エストニアが213キロメートルとなっている。

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